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小嵐 淳; 天野 光; 飯田 孝史*; 山澤 弘実; 永井 晴康
Proceedings of 10th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-10) (CD-ROM), 9 Pages, 2000/00
H-3,C-14等の放射性ガスの地表循環モデルを開発するため、水蒸気,及び希ガスであるラドンを用いて、土壌からのガスの湧出機構を解析した。不飽和土壌中の水の動き,及びラドンガスの動きをそれぞれに表す1次元の数値モデルを同時に解くことにより、ラドンの地表からの散逸を評価し、チェンバー法による乾季及び雨季それぞれについての観測結果と比較した。その結果、提示したモデルで地表からのラドンガス散逸の時間変動を良く表すことができることがわかった。
飯田 孝夫*
JNC TJ6400 2000-008, 58 Pages, 1999/03
人形峠のウラン採掘場跡地での土壌中のラドン挙動を調べるために、地中ラドン連続測定装置およびサンプリング法による土壌中ラドン濃度測定と蓄積法による土壌方面からのラドン散逸率の測定を行った。4台の地中ラドン連続測定を行った。4台の地中ラドン連続測定装置で10cm,20cm,30cm,40cmの深さのラドン濃度を測定した。時間変動はほとんどなく、10Cmの深さで約5000Bq・m-3から40cmの深さで約15000Bq・m-3であった。サンプリング法では15cmの深さで約15000Bq・m-3を得た。蓄積法による測定された土壌表面からのラドン散逸量は0.360.68Bq・m-2・S-1であった。土壌中でのラドンの動態・挙動を知るには、土壌中のラドンの拡散係数、土壌の乾燥密度、湿潤密度、土粒子密度、真比重、間隙率、含水率、ラジウム否有量は重要なパラメータである。試作した土壌中ラドン拡散係数を測定した。名古屋大学の土壌のラドン拡散係数は(1.610.09)10-5m2S-1、福井県の土壌のラドン拡散係数は(8.680.23)10-7m2S-1と(1.530.12)10-5m2S-1であった。人形峠の土壌の拡散係数は(2.990.32)10-6m2S-1から(4.390.43)10-6m2S-1と比較的そろっていた。この拡散係数は土壌の含水率、空隙率に大きく依存していて、場所による違いはそれほどないという結論を得た。これらの物理パラメータを用いて、土壌が2層構造をなしている場でのラドンの輸送を解析的手法と数値計算法で評価した。数値計算結果は比較的実測値に近い値が得られた。覆土によるラドン散逸率の低減効果については、覆土の厚さを2mにしたとき、解析解ではおよそ1/4に減少するのに対して、数値計算では3/5に減少する。覆土によるラドン散逸率の減少は大きくない。
池辺 幸正*; 藤高 和信*; 下 道国*; 飯田 孝夫*; 永峯 康一郎*; 木下 睦*
PNC TJ1545 93-005, 36 Pages, 1993/03
大気中の放射性物質の挙動を把握するためには、局地的に発生した成分と同時に、広域で発生した成分を評価する必要がある。この調査研究では、ラドンとトリチウムの広域挙動解明を目的として、次の調査研究を実施した。まず、中部地区のラドンの発生源分布を求め、日本の求め方を提言した。中国の発生源分布は、SUP226/Ra含有量分布から計算によって求めた。この方法の問題点を検討するため、本調査研究では北京と福州において散逸率と土壌の含水率の測定を実施した。検討に基づいて、プルームモデルを用いた計算とラドンの積分濃度から散逸率を推定する別の方法を提言した。次に、ラドンの大気中動態の数値シミュレーション開発の現状について調査を行い、計算値が実測値と一致することを示した。最後に、日本と中国の環境水中のトリチウムの分布と変動について文献調査を行った。また、現在実施中の東アジア地域の環境水中トリチウムの組織的調査を紹介した。
池辺 幸正*
PNC TJ1545 92-005, 51 Pages, 1992/03
大気中の放射性物質の挙動を把握するためには,局地的に発生した成分と同時に,広域で発生した成分を評価する必要がある。この調査研究では,ラドンの広域挙動解明を目的として,次の研究を実施した。まず,日本およびアジア大陸(中国)におけるラドン濃度のレベルや変動について調査を行った。次にラドンの広域輸送モデルに必要な地表面からのラドンの散逸率分布を求める方法について検討を行い,土壌中226Ra含有率から求める方法およびその問題点について述べた。問題点の一つに土壌の乾燥度の影響が挙げられるため,本調査研究では北京および福州において散逸率,226Ra含有率および土壌の含水率の測定を実施した。福州で採られたデータによると,散逸率と含水率の間にきれいな逆相関関係が認められた。最後に,ラドンの広域挙動についてのモデル開発の現状について調査を行い,モデル開発にあたっての問題点を摘出した。